綺麗なデザインを手早く作る「整列」機能【PowerPoint】

PowerPoint

PowerPointの資料作成時、図形や画像の上下左右はどのように調整していますか?

図やテキストが1つであれば、スマートガイド(赤い点線)を見ながら動かせばよいでしょう。

しかし、図形の数が多くなると、一つひとつ移動させるのは骨が折れます。

たーにぃ
たーにぃ

私も以前は図形を逐一几帳面に動かし、多くの時間を費やしていました。

スマートガイドとは?

PowerPointで図形や画像などを動かすときに表示される赤い補助点線。

PowerPointにおける「スマートガイド」の図示
PowerPointにおける「スマートガイド」

PowerPointには、複数の図形の位置を一括でピッタリ揃える機能が搭載されています。

これを理解し使いこなすことで、洗練されたスライドを短い時間で作ることができるようになりました。

皆さんの資料作成の生産性が少しでも上がるよう、今回はその機能を解説します。

なお、登場する動作は「PowerPoint 2021」で試しております。

他のバージョンでも同様の操作が期待できるかどうかは定かでないため、悪しからずご容赦ください。

1. PowerPointの整列機能

PowerPointでオブジェクトの位置を調整する機能は、主に以下の3つに分類されます。

オブジェクトとは?

テキストボックス、図形、画像などのスライドを構成する要素の総称。

順に説明していきます。

1-1. オブジェクトの「端」を揃える

図形や画像の左右または上下の端が、最も外側にあるものに他のオブジェクトの位置を動かす機能です。

PowerPointにおけるオブジェクトの端を揃える機能の紹介
PowerPointにおける「端」を揃える機能の原理

揃えたい位置に合わせて「左揃え」「右揃え」「上揃え」「下揃え」の機能をします。

PowerPointでオブジェクトの「左揃え」「右揃え」「上揃え」「下揃え」の各機能を実行した結果
「端」を揃える機能を活用した時の結果。上段と下段で実行前のオブジェクトの配置が異なるので注意。

1-2. オブジェクトの中心を揃える

図形や画像を並べた時の中心軸がピッタリ合うように移動する機能です。

縦並びにまっすぐ並べるときは「左右中央揃え」を用います。

PowerPointにおける「左右中央揃え」機能の概要と実行結果
左右中央揃えの概要と使用結果

横並びにまっすぐ並べるときは「上下中央揃え」を使用します。

PowerPointにおける「上下中央揃え」機能の概要と実行結果
上下中央揃えの概要と使用結果

なお、これらの中央揃えの機能は、移動前のオブジェクトの大きさ・位置関係によって動作が2パターンに分かれます。

まず、最も大きな図形の高さ(または幅)の中にほかの図形が全て収まっている場合。 

この時は、基準となるオブジェクトの中心軸へ揃うようにほかの図形が移動します。

PowerPointにおいて、1つの図形の幅の中に、ほかのすべての図形が収まっている場合の「左右中央揃え」機能の実行結果
左右中央揃えの実行結果1:1つの図形の幅の中に、ほかのすべての図形が収まっている場合

一方、そうではなく、どの図形の幅の中にもオブジェクトが収まっていない場合。

この時は、軸が揃うように全ての図形が移動する仕様です。

PowerPointにおいて、1つの図形の幅の中に、ほかの図形が収まっていない場合の「左右中央揃え」機能の実行結果

左右中央揃えの実行結果2:1つの図形の幅の中に、ほかの図形が収まっていない場合

1-3. オブジェクトの間隔を揃える

3つ以上のオブジェクトを置く際に、それらを縦横等間隔に並べたい時があります。

そこで活躍するのが「左右に整列」「上下に整列」の機能です。

PowerPointにおける「左右に整列」機能の概要と実行結果
左右に整列の概要と実行結果

PowerPointにおける「上下に整列」機能の概要と実行結果
上下に整列の概要と実行結果

それぞれ横方向、縦方向の間隔が均等になるようにオブジェクトが移動します。

たーにぃ
たーにぃ

オブジェクトの位置は自動で計算されます。

「左右に整列」機能では、左端・右端にあるオブジェクトが基準となります。

基準は動かないまま、それ以外のオブジェクトが適切な位置に移動します。

2. 整列機能の利用方法

ここまでは、PowerPointにおける整列機能の原理について説明しました。

ここからは、機能の具体的な実行手順を解説します。

2-1. 手順1:図形・画像の選択

端を揃えたいオブジェクトを全て選択します。

PowerPointにおける整列機能の利用手順1。整列したいオブジェクトを選択。
整列の手順:1. オブジェクトの選択

「Shift」キーまたは「Ctrl」キーを押しながらクリックすると複数選択できます。

2-2. 手順2:整列機能の実行

「ホーム」タブ中の「配置」をクリックします。

PowerPointにおける整列機能の利用手順2。「配置」グループを選択。
整列の手順:2. 「配置」グループを選択

「図の形式」タブ中の「配置」グループでも同様の機能があります。

次に「配置」をクリックします。

PowerPointにおける整列機能の利用手順3 。「配置」の機能を選択。
整列の手順:3. 「配置」機能の選択

「左揃え」をクリックすると、選択している図形の左端が揃うようにオブジェクトが左に動きます。

PowerPointにおける整列機能の利用手順4。「左揃え」機能の選択とその実行結果。
整列の手順:4. 「左揃え」の選択(左)とその実施結果(右)

その他の機能も同様の手順で実行することができます。

2-3.(補足)オブジェクトが1つしかないとき

選択された図形が1つしかないときはどうなるでしょうか?

答えは「スライド全体に対して、決められた動作をする」です。

「左揃え」「右揃え」「上揃え」「下揃え」であれば、オブジェクトがスライドの端に揃うように移動します。

1つの図形に対して、左揃え・右揃え・上揃え・下揃えの機能をそれぞれ適応した結果。

また、オブジェクトを1つだけ選択した状態で「左右中央揃え」「上下中央揃え」を行うと、それぞれ横方向、縦方向でスライドの真ん中に図形やテキスト等が移動します。

PowerPointにおいて、「左右中央揃え」や「上下中央揃え」を1つのオブジェクトに対して実行した結果
左右中央揃え・上下中央揃えを1つの図形のみ選択時に適用した結果

これらは、スライドいっぱいに表示させる画像や図形を用いるときや、真ん中にテキストを配置したいとき等に役立ちます。

「左右に整列」「上下に整列」の機能は、選択された図形が2つ以下の時は使用できないようになっています。

3. 整列を時短するショートカット

1. PowerPointの整列機能」で紹介した8つ機能には、いずれもショートカットが割り当てられています。

ショートカットとは?

平たく言うと、マウスクリックで行う動作をキーボード入力で代用すること。

コピーを「Ctrl」+「C」キーで行うことと同じです。

ショートカットを覚えて使いこなすことで、より一層効率性を高めることができます。

各機能のショートカットは以下の表にまとめた通りです。

整列機能のショートカット
分類機能ショートカット
「端」を揃える左揃え「Alt」→「H」→「G」→「A」→「L」
右揃え「Alt」→「H」→「G」→「A」→「R」
上揃え「Alt」→「H」→「G」→「A」→「T」
下揃え「Alt」→「H」→「G」→「A」→「B」
「中心」を揃える左右中央揃え「Alt」→「H」→「G」→「A」→「C」
上下中央揃え「Alt」→「H」→「G」→「A」→「M」
「間隔」を揃える左右に整列「Alt」→「H」→「G」→「A」→「H」
上下に整列「Alt」→「H」→「G」→「A」→「V」

「Alt」「H」「G」「A」を順番に入力していく点は共通です。

最後のキーは各機能の英語に対応しています。

  • 左揃え→Left
  • 右揃え→Right
  • 上揃え→Top
  • 下揃え→Bottom
  • 左右中央揃え→Center
  • 上下中央揃え→Middle
  • 左右に整列→Horizontal(水平)
  • 上下に整列→Vertical(垂直)

まとめ

今回はPowerPointにおける整列機能の役割と利用方法について解説しました。

洗練された資料の作成には、図形やテキスト同士がきれいに並ぶことが必須です。

一方で、一つひとつ位置を微調整するのは時間と労力を要します。

ここで紹介した機能でPowerPointでの位置揃えが劇的に楽になることは間違いありません。

本記事が皆様の資料作成のお役に立てれば光栄です。

最後までありがとうございました。